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新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。
旧年中はひとかたならぬご厚情をいただきありがとうございます。
社員一丸となり全力を尽くしますので、引き続きご支援いただきますようお願い申し上げます。
本年も変わらぬお引き立ての程よろしくお願い申し上げます。
皆様のご健勝とご発展をお祈り申し上げます。

株式会社チームアクティブ

HPリニューアルのお知らせ

本日、チームアクティブ HPをリニューアル致しました。
ブックマーク、お気に入り登録をされている方は、お手数ですが登録の変更をお願い致します。

→新HP URL:http://teamactive.jp

今後ともチームアクティブを何卒よろしくお願い申し上げます。

音楽文化を支えるローディーの第一人者

帝国データバンクニュース”COMPANY NOW! 第357回”2007.03.16より

(株)チームアクティブ 代表取締役 河原真澄

コンサートやライブ会場には必ず、縁の下の力持ちがいる。楽器・アンプなどの機材の搬送からセッティング、チューニングなど、音出しに関わる「ローディー」と呼ばれるスタッフだ。楽器を搬送しセッティングするだけではなく、アーティストの要望する音を”作る”ローディーは、経験から得るテクニックやノウハウが求められる。(株)チームアクティブは、こうした専門性を備えたスタッフを擁するローディーのプロ集団だ。

当社の基幹業務はローディースタッフの派遣。スタッフは楽器・機材の搬送、セッティングを行うのはもちろん、場所・アーティストに合わせた音や効果を作り、本番中にもさまざまな調整を行う。アーティストを演奏に専念させ、コンサートのクオリティを向上させている。ところで、20年ほど前まで日本にこの「ローディー」という概念はなかったという。それまでは「ボーヤ」と呼ばれるアーティストの付き人や事務所の担当者がライブを手伝う形で作っていた。現在の「ローディー」の形を確立させたのは、当社の河原社長。1983年、「白井貴子&クレイジーボーイズ」を担当し音楽業務の技術・ノウハウを蓄えた河原氏が音の職人として当社の前進となるローディー組織を結成したことが原型となった。92年に会社組織として当社が設立され、今では多くの有名アーティストが信頼を寄せるコンサートに欠かせない存在だ。

「アーティストがステージ上で求めることを理解し、コンサート全体のあらゆることに対応します」と河原社長が言うように、ローディーは音楽知識のほか一人ひとりのヒューマンスキルが不可欠。年間200アーティストものコンサートライブを手がける当社は「人が資本」の会社だ。「将来的にはローディーの学校を作りたい」という言葉からもうかがえるよう、業界の第一人者としてローディーの育成を重視する。

現在、音楽業界もデジタル化が進み、音楽配信などから新しい曲が簡単に手に入るようになった。だが、河原社長は言う。「デジタル化が進むこと自体は悪いことではありませんが、アナログの良さが忘れられてしまうことは怖いですね」。限られた容量の中に”音を凝縮”させているMP3プレーヤーや携帯電話から聞くデジタル音楽しか知らない人が増えていることを危惧する。「ライブで音源から人間の体に直接届く音には力があります。環境によって音は変わりますし、音が環境を変えることもできます」。質の違いを誰よりも知る音のプロは言い切る。

音の職人集団である当社は、時代の潮流に合わせて発展しながら”本物の音”を体感できるライブの場を守り、”音”の追求を続ける。

音に生きる15の職人

“カスタムピープル”12月号増刊「音に生きる2006年Winter」より

(株)チームアクティブ ローディー部チーフテクニシャン 三島陵太郎

幕が開き、ライヴが始まる。ファーストステージが終わり、一旦アーティストが袖にはけると舞台は暗転。すると舞台の袖から人が現れ、暗がりのなかで楽器を入れ替えたり、マイクスタンドを立てたり、ドラムを叩いたり、ギターを弾き始める。そして彼らが再び袖にはけるとアーティストが登場しセカンドステージが始まる。
幕間、幕間に現れ、暗がりのなかうごめく彼らはいったいどんな人たちなのだろうか。

「僕らは潤滑油みたいなものです」

そう語るのは三島さん。彼の職業は”テクニシャン”という。楽器や機材に関する幅広い知識でミュージシャンをサポートしていくのが彼の仕事だ。
彼らは ミュージシャンから命の次に大切な楽器を預かり、ギターやベースなどのメンテナンスやチューニングを担当する。もちろんライヴにも同行する。ライヴではバンドが使用する機材の運搬・セッティングを行い、本番が始まると袖に控えておき、いつなんどき起こるともわからないトラブルに備えて袖で待機。ミュージシャンが楽器を取り替えるときも、彼らはそのアシストをする。ステージの暗がりでうごめく人々の正体、それは彼らだったのである。

テクニシャンはもちろんツアーにも同行する。海外ではツアーを”ロードする”といい、アーティストも含め、そのツアーに関わるすべてのスタッフのことを”ローディー”と呼ぶ。それに由来し、彼らを”ローディー”と呼ぶことが多いが、最近では”テクニシャン”または”テック”という言葉が定着してきている。

この世界に入って16年のベテラン・テクニシャン三島さん。もともとは地元名古屋でアルバイトをしながらバンド活動を続けていた。「どうせやるなら東京で」そんな思いから20歳のときに上京。

「姉の知り合いから今の会社を紹介されたんです。大道具のバイトをしていたんだけど、うちで仕事してみないかって言われて。ギタリストを目指していたから勉強にもなるかなって思って始めたのがきっかけでした」

地獄だった1年目はかけがえのない1年

「あるアーティストのツアーに同行したんです。結構長いツアーで、リハーサルを含めてほぼ1年かけて全国をまわりました。そこで1から全部覚えていって・・・」

最近の日本は、どこかよそよそしく、他人行儀。他人を本気で怒れる人が少なくなったといわれているが、三島さんの新人時代は違う。ヘマをすれば、他のセクションの人から怒られたり説教されたりというのは、ごくごく当たり前のことだった。また、ツアーのスタッフは、バンドのメンバーもひっくるめて全員”家族なんだ”という意識でやっていた。だから、みんなでツアーを作り上げていくという意識があり、他のセクションの仕事を手伝ったりして、みんなで補いあったという。そして1日の仕事が終わってホテルに帰るとそのまま師匠の部屋に行き、その日の反省会と”ローディー”に必要な知識を学ぶ勉強会をした。

「毎日寝るのは朝の4時、5時でした。それからもう7時には起きていましたからね。きっと若かったからできたんでしょう。ほんと大変でした。いやでいやでしょうがなかったけど、余計なことを考えるヒマも時間もなかったんですよね。自分はド新人で何もできなかったから、みんなに付いていくのに必死で。とにかく日々生きていくのが精一杯でした」

今、思い返すと実は一番大事な時期であり、その1年で三島さんがこの世界で生きていく基盤ができたと言う。そうして必死に食らいついていった1年。少しずつ”ローディー”としての仕事が見えてきた。

そしてローディーを始めて3、4年したころ、地方でのツアーであるひとつの出来事があった。本番が終わり、観客も帰り、会場の片付けに入ろうというとき、1人、帰ろうとしない女の子がいるのだ。当然お客さんがいるから片付けに入るわけには行かず、撤収の時間だけが迫っていた。正直「面倒くせえな、早く帰れよ」と思っていたという。早く片付けに入りたかったのだ。本番を終え、身体の疲れはピークに達していた。舞台監督も「もう片付けちゃっていいよ、電源も落としちゃってよ。片付け始めればあの子も帰るでしょ」と。するとその女の子がスタッフのもとへ歩み寄って来て、一言「スタッフのみなさん、ありがとうございました」と頭を下げたという。

「そのときは自分が恥ずかしくて・・・、俺は何を思っていたんだろうって。当時もまだミュージシャンになる夢は捨て切れずに持っていて、そんななかでもこの仕事に対する魅力も感じていて。喜びも辛さも見えていて・・・。でも本質はわかっていなかったんだなって」
音楽にたずさわっていくってことがどういうことなのか、そのときその子に初めて教えられた気がしたという。自分のやっていることは人から「ありがとう」と言われる仕事なんだと。

三島さんはその出来事から、この仕事を続けていくことを決意した。そしてこのときのことはいまもずっと三島さんの心に焼き付いている。

一番近い立場にいるから テックは潤滑油になる

ミュージシャンにとってかけがえのない存在であるテクニシャン。ミュージシャンの身体の一部とも言える”道具”を預かる=守る仕事をしているのだから。ミュージシャンが最高のライヴをするためには、欠かすことのできない存在。

「立場的にはミュージシャンに一番近い存在なのかもしれません。ただ、だからこそミュージシャンとお客さんの間もそうだし、ミュージシャンと別のスタッフ、たとえばPAや舞台監督、照明・・・。ミュージシャンを中心に関わる人すべてのスタッフに対して僕らが潤滑油に、パイプ役にならなきゃいけない、そう思っています」

ミュージシャンがもしスタッフに言いにくいことがあったら、それに気づいてあげて、代わりにそれを伝える。楽器で音だけを作ればいいというだけではなく、テクニシャンはミュージシャンの楽器以外にもケアする部分がたくさんあるのだ。舞台の袖で楽器のみならずミュージシャンごと見守るテクニシャン。

「もしアーティストが愛だの恋だのと歌ったり、友情だのがんばれだの歌っていたら、同じものを思いながら、同じことをやらないと」
今、ミュージシャンが何を求めているのか、何を表現したがっているのか、観客に対してどういうことをしたがっているのか。それを常に考え、察する。直接それをテクニシャンがわかったところで、なにかをできるわけではない。彼らはあくまでもミュージシャンのサポートなのだから。大切なのは、いかにそれらをくみ取り、その上で、どうサポートしていくかということ。ミュージシャンの楽器を預かるということは、つまりそういうことなのだろう。テクニシャンは楽器を相手に仕事しているのではなく、”人”を相手に仕事をしているのだ。

最後に、三島さんに、テクニシャンをやっていてうれしいと思う瞬間とはどんなときかたずねてみた。
「アーティストから『今日すごい気持ちよくできたよ』って言われることは僕らにしてみれば最高の褒め言葉ですよね。何がどうだってわけでもないんだけど、すっげえ気持ちよくできた、ありがとう。そう言われたら、もう今日1日やってよかったなって。それが仮にアーティストが言わなくても、お客さんが満足ならそれはそれでうれしいんですよ。結局、ありがとうって言われるのが最高だと思うんですよ」

もし今度ライヴに行くことがあったら、暗がりのステージに注目して彼らの姿を追いかけてみてほしい。彼らは決して観客に見られることを望んではいないけれど、華やかなステージのすぐ横には彼らのような人がいる。それを感じることができたら、またちがった感動を得ることができるかもしれない。

お仕事図鑑

2006年7月 月刊 Birth-Day!! より

(株)チームアクティブ 大和正尚さん

ライブハウスやホールなどのコンサート会場で楽器をいじっている人を見たことはありませんか?
そのお仕事をしているのが、ローディーです。
楽器のセッティングだけでなく、機材の積みおろし、チューニングなど幅広く作業しています。

ローディーとは”孫の手”である。

この仕事自体、最近できた職業なんであまり知られていないんじゃないでしょうか。ライブが始まる前にギターとかを弾いてチェックしてる人、あれがローディーですね。専門の知識や経験をプロのミュージシャンに買ってもらっているんですよ。

仕事の内容を大雑把に言うと、朝トラックから楽器をおろして、夜トラックに積み込むまでの楽器の管理です。楽器には精密なものがあったりするから1個1個きちんと管理しなきゃいけない。力仕事ですけど、同時に丁寧さを求められる職場ですね。現場に入ったら、まずギターの調整をしたり、ドラムの皮を張り替えたりして、音を出せる状態に整備します。ステージに楽器が出せる状態になったらセッティング。それが終わった頃にミュージシャンが入ってきて、リハーサルをして、本番です。それからも忙しいですよ。本番直前まで最終チェックをしたり、本番中もギター・チェンジをしたり、現場によっては音色を切り替える場合もありますね。それで本番が終わったら、舞台を片付けてトラックに積みこむ、と。ほかにも舞台まわりの手伝いもしますから、結局ライブ全体に関わってますね。手が空いていれば、僕らはなんでもやりますから(笑)。

この仕事をしていて一番うれしいことは、バンドのメンバーが楽しそうにライブをやり終えること。ライブって、どうしてもトラブルを避けられないものなんです。たとえば、イージーミスのような人為的なものだったり、機材が壊れてしまったり、それに僕らがどう対応できるかによって、メンバーの気持ちも変わってくると思うんです。多少トラブルがあっても早く対処できて「それが気にならないくらい、いいライブができた」とかね。そのためにどんなことが起こりうるか、頭の中でシミュレーションしてきます。「このアンプが壊れたら、あの大きいアンプを出せるようにしておこう」って。大変ですけど、ツアーの最終日にメンバーから「あのときは本当に助かったよ。ありがとう!」っていう一言をもらえれば、それだけで本当に嬉しいし、次もやろうって思えますね。

相手が何を考えているかを常に思いやることは、作業をするうえでとても大切です。ローディーって、人一倍気遣いが必要な仕事なんです。楽器を直すことはもちろんなんですが・・・たとえば、視線で何かを探している人がいるとして、そこに探していたものがポンと出てきたら、向こうも「こいつなかなかやるじゃん」って思ってくれるわけですよ。それが信頼にもつながると思うんですよね。ミュージシャンからしたら、楽器は命。それを預かる身だからこそ信用第一。だから、相手への思いやりを忘れずに、気づいたらかゆいところに手が届く、長年愛用される孫の手のような存在でいられたらなんて思っています。

ローディーを目指す人にですか? とにかく音楽をいっぱい聴いたほうがいいと思いますよ。ジャンルにこだわらず、幅広く。音楽が好きな人じゃなかったらできない仕事だし。ミュージシャンに「○○みたいな感じの音がいいな」って言われてもその音を知らなかったら対応できないですからね。まったくの未経験でも大丈夫ですよ。コツは辞めないで続けることかな。現場に出て凹むことはいっぱいあると思いますけど、知識は後から付いてくるものなんだから続けることが大事ですよ。

人と音楽を結ぶ職人

2006年6月号 音遊人より

(株)チームアクティブ 代表取締役 河原真澄さん・他

音楽に関わっているのは、舞台で演ずる人だけではない。
華やかなショータイムを、陰でしっかりと支える人たちもいる。
ミュージシャンは演奏に専念する。
そのために、ローディーという職業がある。
ミュージシャンの楽器をケアし、よい音作りのサポートをする人たちだ。
ローディーは、ミュージシャンと同じように音楽を理解し、彼らの求めるものを提供する。
日本型ローディーを作りあげたチームアクティブ。
今回はその活動の現場を訪ねてみた。

ステージに登場できる唯一のサポーター

ライブで、曲の合間にミュージシャンにギターを手渡す人がいる。さりげなく渡す情景は、楽しいパフォーマンスの一部かのようだ。それはローディーの仕事である。

辞書で「ローディー」という単語をひくと、「歌手などの地方巡業に随行して、公演の準備・進行に携わる者」(『大辞泉』)と書いてある。思わず、楽器を運ぶ人を想像した。

日本には、かつてボーヤという仕事があった。ミュージシャンの楽器を運び、セッティングし、そして雑用もこなす付き人のことだ。
「欧米では、ローディーって、ツアーに出るスタッフ全員を指す言葉なんですよ。ひとつの楽器に一人のテックがつくんです。日本では制作費の問題もあって、ひとつの楽器だけじゃなくていくつもの楽器を一人で担当できるマルチな人間が求められたんです。」
説明してくれたのはチームアクティブ社長の河原真澄さん。

「ローディーとは、ミュージシャンのすべてをサポートする人。テックとは、より専門的に楽器のメンテナンスやチューニングができる人。そんなふうに言葉を使い分けています。ほかにクラフトマンというのもいて、ギターを製作できるほどの技術と知識がある人のことを言います」

欧米のように専門的な楽器の知識を持ちつつ、演奏の場以外でも支える。その結果、ミュージシャンのすべてをケアするという日本型のローディーが確立した。

ボーヤからローディーへと、二十年をかけて仕事の内容は徐々に移ってきた。しかし、奉公的なボーヤの名残が薄れていくまでには、すこし時間がかかったようだ。

「地方に仕事で行っても、報酬は弁当と二千円ということもありました。待遇のひどさは長くは続かなかったけれど、これではいけないって。自然にボーヤっぽいことをやっている人が集まって、仕事となり、組織になっていきました。」

そして現在、ローディーなしではライブが成立しないほど、その存在は大きくなった。

三月の末、都内で行われた宇都宮隆さんのライブ会場へ、リハーサル前にお邪魔した。そこで、この道二十三年の大竹茂美さんに会った。宇都宮さんのツアーに同行して約十年になる。普段はオフィスワーク中心だが、このツアーだけは毎年参加するのだと言う。
「ミュージシャンが演奏に専念できるように、音響などの仕事は全部ローディーがやるようになりました。年をとっても、ローディーとして呼んでくれる限りは参加したいですね。ミュージシャンと一緒にステージを作りあげていく作業はローディーの基本であり、また大きな喜びでもあります」

ローディーは次の段階に進もうとしている。

「おもしろくて、楽しくて、かっこいいステージを作るには、日本人らしいキメの細かさも必要です。ローディーがステージに見えていないようで見えている、日本古来のわび・さびの精神はサポートや演出にも出てくるんです。」

この仕事は、誰かが見ている

「ミュージシャンと同じくらい音楽を理解していないと、彼らが何を求めているのか、わからない」

ミュージシャンとの結びつきを強調するのは三島陵太郎さんだ。ローディーになったのは、二十歳のときだった。ミュージシャンになる夢を抱き、勉強だと思って始めた。よい音を作り上げるために、神経質にノイズを処理する。こういった小さなことの積み重ねがローディーとしての喜びにつながる。それが快感となり、プライドに結びつく。

ローディーの仕事を始めて三、四年目のときだ。自分の仕事を誰かが見ていると、実感した瞬間があった。

ある地方での公演時のこと。ライブが終了して、警備員に注意されても帰らない女性のお客さんがいた。三島さんたちは撤収作業を始めていた。そのとき、「スタッフの皆さん、どうもありがとうございました」と言いながら彼女が頭を下げた。

「ライブが終わって、拍手が起こる。そのうちの何人かは、私たちに向かって拍手してくれているんだよ」
隣で河原さんがそう話すと、三島さんがうなずいた。

「演奏の技術もその域に達していなければ、本当はプレイヤーの悩んでいることがわからないんです。自分がその域にいるかといえば、まだです。そこに達したいな、と思っているんですが」

そこまでの技術と知識を目指すローディー。ミュージシャンとの違いが気になった。

「楽器の知識などは、同等に近いかも知れません。ただ、創造力はミュージシャンならではのものでしょうね」

ミュージシャンと一緒にお客さんを満足させたい

ローディーの一番の仕事は、もちろんミュージシャンを支えることである。そんなローディーに向いているか、いないかは、ギターをミュージシャンに渡す動作ひとつにも表れるという。

「よいローディーの条件は、ミュージシャンから信頼されていることでしょう。だって、ミュージシャンの命である楽器を預けてくれるんですよ。社長である僕の言うことを聞かなくてもいいから、ミュージシャンの言うことに耳を傾ける。そこで信頼が築ければ、よいローディーだと思います。」

求められることは演奏面や楽器の知識だけでなく、メンタル面に及ぶこともある。河原さんは続けた。
「その日のコンディションによって、音がよかったり悪かったりする。たとえば、ボーカルの喉の調子が悪ければ、水を出してあげる。直接楽器とは関係なくても、それはローディーの仕事です。そこに気づかなければ意味がない。」

体調も含めてサポートすることで、よい音作りにつながっていく。ただし、ローディーがミュージシャンのイエスマンでもだめだとも加える。
「自分のスタイルを持ちながら、すべてにおいてミュージシャンを中心に考え、気を遣う。一方で自分もライブに参加しているという自覚も必要です。次の公演のために、ミュージシャンと一緒に悩んだりもする。それが大切だと思っています」そう話す三島さん。よい音作りを通じて、アーティストもお客さんも満足させたいという気持ちが伝わってくる。

話を聞き進めるうちに、今度ライブに行ったら、ギターを渡す人に注目したくなってくる。舞台裏にいる人たちに向け、拍手をいつもより大きく鳴らしたいと思う。

河原さんの音楽にかける思いが印象的だった。

「音楽は絶対になくならないし、それに付随する裏方の仕事もなくならない。技術が発達して、レコードや CD だけでなく、ダウンロードして音楽を聴く方法も選択できる時代になった。でも、技術がどんなに発達しようと、生の演奏には勝てない。生の音楽を支えていくのは、生の人間に他ならないと思っています」

HISTORY OF T.M.R. LIVE REVOLUTION 1996-2005

2006年6月 別注カドカワ総力特集西川貴教より

(株)チームアクティブ 斎藤健一さん

全員参加型エンターテイメントのきっかけになった年

97年といえばダンスが印象深いですね。いろんな曲に振り付けがあったり、アクションがあったり。西川くんはダンスリハを一生懸命やっていました。ターンを研究したり、テレンス・トレント・ダービーとか?プリンスか?というアクションしたりして(古っ!!)。「joker」ツアーの時、初めて譜面ができました。それまで行き当たりばったりの曲アレンジから共通言語で意思の疎通を図れるようになって。これは事件でしたね。

西川くんはとても敏感なアンテナみたいな人です。空気感とか、流れ、タイミングがすごく大事。だから、ステージ上でのやりとりはその辺りに気を使ってます。目と目が合って、表情を見て、あとはお互いにうなずくだけ。言葉にすると軽くなってしまうことや言わないから通じることもありますしね。

この年はガムシャラに前に進んだ感じですが、この先やれる自信や確信とかの手応えはしっかり残りました。ぶつかりながら一つの空気を作っていく、全員参加型エンターテイメントのきっかけになった年と言えると思います。

お仕事拝見

2006年3月4月号 [zi:]ジィーより

(株)チームアクティブ 川澄哲さん

前回に引き続き、”ローディー”のお仕事を紹介します。今回紹介するのは、ローディーの派遣会社に所属し、さまざまな現場でその能力を提供している、いわゆる「プロのローディー」さんです。そこで今回は、「プロとしての仕事」とはどういうものかを中心に、話を伺いました。

まず最初に、ローディーの仕事内容について教えて欲しいのですが。

テック、テクニシャンとも呼ばれるんですが、楽器、機材のセッティングやチューニングなど楽器に関わるいろいろな仕事をします。ギター担当なら、ギター・テック、ベース担当ならベース・テックって呼ばれるんですけど。

ちなみに川澄さんは?

僕は、ギター・テックがメインです。ただ、バンドの規模にもよるんですが、ひとりでギターとベースを担当したり、ということも多いので、基本的な部分は、どの楽器でも一通り出来ますけど。

具体的には、どういう作業があるんですか?

たとえば、あるバンドが東京ドームでライブをやるとします。でも、会場の規模が大きくなれば、ライブ当日にセッティングから何から全部をやるっていうのは無理ですよね?だからって、メンバーが前日から入って、機材のセッティングから全部をやるかっていうと、そうもいかない。そこで、俺達が事前に行って、会場にあった立ち位置に機材をセッティングしたり、ライブが出来る状態に音を整えたりするんです

ちなみに、バンドやミュージシャン個人についている、いわゆるボーヤと呼ばれる人と、川澄さんのようにお仕事として数バンドにたずさわる方とがいますが、やっぱり仕事内容は違うんですか?

違いますね。ボーヤって言うのは、ミュージシャン個人について学ばせてもらっている人たちで、いわば師匠と弟子のような関係なんです。でも、ローディーは師匠と弟子という関係ではなくて、アーティストと同じか、よりプラスαの技術が必要なんです。

プラスαっていうのは?

さっきのライブの話で言うと、僕達が事前の準備をする場合、メンバーが入ってきていきなり本番が出来る、っていうレベルまで音作りをしておくのがプロです。どの会場でも、いつも同じ音が出るわけではないんですよ。たとえば最初に音を出してみた時に、いつもよりノイズが多めだとします。そしたら、そのノイズを減らす為に、機材のコンセントをさす向きを変えたりだとか、いろいろな技を使って、アーティストが好む1番いい音を作るのがプロだと思うんですよ。

楽器や機材に関する知識は、アーティスト以上に必要なんですね。それに、アーティストの好みの音も把握しないとできないですよね?

そうなんです。そこが難しいところで、その人の好みや弾き癖を把握しないとできないんです。だから、僕は主だった曲は全曲コピーしてますね。で、ライブ前の仕込みの段階で、曲を演奏しちゃうんですよ。そうすると、自分たちも音を作りやすいし、それだけじゃなくて、PAさんなんかも、すごく決めやすくなるんです。

そういうのって、ローディーさんはみんなやるんですか?

いや、みんなではないです。俺は、自分が楽器を演奏するのが好きっていうのもありつつ、昔U2のテックさんがそうするっていうのを聞いて、それでやりはじめたんです。やっぱりやってみると全然違いますね。癖なんかも、すごく分かりやすくなりますよ。

すごい!そこまでやれるからこそ、信頼もされるんですね。あと、もちろんライブだけじゃなく、レコーディングにも行くんですよね?

はい。平たく言うと、メンバーが楽器を使う時は必ず行きます。

じゃあ、アーティストと一緒にいる時間って、すごく長くなりますよね?それって、人間的な部分―― 信頼関係や気が合う合わない―― もすごく重要になってくるんじゃないですか?

もうね、そこは本っ当に大事です。そこが原因で、途中でクビになる人もいるぐらいですからね。テクニックももちろんですが、やっぱり人間関係は一番大切だと思います。信頼関係が築けなければ、この仕事はできないですよ。だから僕は、楽器どうこうっていうよりもまず、人としての付合いという部分を大切に考えてますね。

では最後に、この仕事でやりがいを感じるのはどんな部分ですか?

人によってやりがいは違うと思いますけど、バンドと共に自分が大きくなっていけるところと、バンドの成長を見られることですね。