お仕事図鑑

2006年7月 月刊 Birth-Day!! より

(株)チームアクティブ 大和正尚さん

ライブハウスやホールなどのコンサート会場で楽器をいじっている人を見たことはありませんか?
そのお仕事をしているのが、ローディーです。
楽器のセッティングだけでなく、機材の積みおろし、チューニングなど幅広く作業しています。

ローディーとは”孫の手”である。

この仕事自体、最近できた職業なんであまり知られていないんじゃないでしょうか。ライブが始まる前にギターとかを弾いてチェックしてる人、あれがローディーですね。専門の知識や経験をプロのミュージシャンに買ってもらっているんですよ。

仕事の内容を大雑把に言うと、朝トラックから楽器をおろして、夜トラックに積み込むまでの楽器の管理です。楽器には精密なものがあったりするから1個1個きちんと管理しなきゃいけない。力仕事ですけど、同時に丁寧さを求められる職場ですね。現場に入ったら、まずギターの調整をしたり、ドラムの皮を張り替えたりして、音を出せる状態に整備します。ステージに楽器が出せる状態になったらセッティング。それが終わった頃にミュージシャンが入ってきて、リハーサルをして、本番です。それからも忙しいですよ。本番直前まで最終チェックをしたり、本番中もギター・チェンジをしたり、現場によっては音色を切り替える場合もありますね。それで本番が終わったら、舞台を片付けてトラックに積みこむ、と。ほかにも舞台まわりの手伝いもしますから、結局ライブ全体に関わってますね。手が空いていれば、僕らはなんでもやりますから(笑)。

この仕事をしていて一番うれしいことは、バンドのメンバーが楽しそうにライブをやり終えること。ライブって、どうしてもトラブルを避けられないものなんです。たとえば、イージーミスのような人為的なものだったり、機材が壊れてしまったり、それに僕らがどう対応できるかによって、メンバーの気持ちも変わってくると思うんです。多少トラブルがあっても早く対処できて「それが気にならないくらい、いいライブができた」とかね。そのためにどんなことが起こりうるか、頭の中でシミュレーションしてきます。「このアンプが壊れたら、あの大きいアンプを出せるようにしておこう」って。大変ですけど、ツアーの最終日にメンバーから「あのときは本当に助かったよ。ありがとう!」っていう一言をもらえれば、それだけで本当に嬉しいし、次もやろうって思えますね。

相手が何を考えているかを常に思いやることは、作業をするうえでとても大切です。ローディーって、人一倍気遣いが必要な仕事なんです。楽器を直すことはもちろんなんですが・・・たとえば、視線で何かを探している人がいるとして、そこに探していたものがポンと出てきたら、向こうも「こいつなかなかやるじゃん」って思ってくれるわけですよ。それが信頼にもつながると思うんですよね。ミュージシャンからしたら、楽器は命。それを預かる身だからこそ信用第一。だから、相手への思いやりを忘れずに、気づいたらかゆいところに手が届く、長年愛用される孫の手のような存在でいられたらなんて思っています。

ローディーを目指す人にですか? とにかく音楽をいっぱい聴いたほうがいいと思いますよ。ジャンルにこだわらず、幅広く。音楽が好きな人じゃなかったらできない仕事だし。ミュージシャンに「○○みたいな感じの音がいいな」って言われてもその音を知らなかったら対応できないですからね。まったくの未経験でも大丈夫ですよ。コツは辞めないで続けることかな。現場に出て凹むことはいっぱいあると思いますけど、知識は後から付いてくるものなんだから続けることが大事ですよ。